新潟県長岡市蔵王に鎮座しております、金峯神社の社紋につきまして少しご紹介いたします。
そもそも、日本では身分に関係なく家紋が存在しておりそれは「家紋」が「苗字」の代わりに使われていたからです。
※苗字を公に名乗ることを禁じられた時代があった。
苗字は武士階級の特権としており、「家紋」「屋号」が使われておりました。
こちらの金峯神社には「社紋」がございましてこれは「五七桐(ごしちのきり)」と申します。
所説ございますが、五七桐は下賜(かし)つまり「天皇家をはじめ、身分の高い人から賜るもの」で一般的に、功績やゆかりの深い間柄に送られるそうです。
ちなみに、三五桐というのもございまして将軍家から賜り同じように功績やゆかりの深い間柄に送られるとてもありがたい紋(象徴やシンボル)だそうです。
この、「桐紋の桐とは古代中国の神話に出てくる鳥の鳳凰」が止まる木とされ「桐は神聖な存在」として扱われ
この風習が日本に伝わり天皇様の衣類などに使われるようになり、当時は皇室のみが使用できる格式のある紋章として使用されてきました。
時代が進み、現代に至ります。
また、「桐」紋に使用されている桐は「ゴマノハグサ科の桐の葉と花」がデザインになり図案化されました。
また、桐は私たちの生活とも密接につながり「桐は良質な木材」として様々加工されてきました、
神楽(神道の神事)のお面、箏(そう・日本の伝統楽器)、箪笥(茶・衣類・食器・百味)の材料として使用されてきました。
桐箪笥といえば重くて大きいイメージを、される方が多いと思いますが桐は国産の材料の中で一番
「軽く」
「湿気を通さない」
「割れにくい」
「防火性」という
優れた特性を持っており良質な高級木材です。
紋章、神話、楽器「桐と共に」歩んできた道のりはとても長くそして素敵な時間を過ごしてきたように私は感じます。
先人とのつながりは、歴史や伝統の枠に超え生活の一部になり学ぶことで、違う時代を生きている自分たちにも、当時の人々が大切にしてきた「モノ」が少し理解できるような気がします。(小)
※箏(そう、可動式の支柱で音程を調節)
※琴(こと、玄を押さえる場所で音程を調整する)
※百味とは、当時の薬局で生薬を入れるために使われていた。