日本列島全体で猛暑のニュースが伝えられております。本当に暑い日が続いていますね。
お盆を迎えUターンラッシュや各地の行楽地は多くの人出でにぎわっています。それからやはりお墓参りや家族親族で団欒を迎えることが多いのではないでしょうか。
毎年何となく迎えているお盆について少し神道の解釈を説明したいと思います。
お盆の行事は旧暦の七月十五日を中心とする、もともと祖霊をお祀りする日本古来の行事です。(現在では多くの地域で新暦八月に行っていますね)
各ご家庭のご先祖様が「ご精霊さま」(ごしょうれいさま)として帰って来られるのをお迎えをし、手厚くもてなすために盆棚を飾り、提灯をともし花や手料理を供え家族皆でご先祖様をお慰めします。各地で行われる盆踊りも精霊をお慰めするためのものです。ところが仏教を布教するため、日本古来の七月の祖霊祭に仏教の「盂蘭盆会」(うらぼんえ)を結びつけたために現在では仏事のように思われているのです。
古い時代では旧暦の一月十五日と七月十五日頃の満月を中心として、年に二回神様の御来臨を願い祖霊のお祀りを行っていました。大層賑やかな時「盆と正月がいっぺんに来たようだ」と今でも言いますが、実は正月は祖先の神や歳神さまといった「神々」をお迎えする祭りであり、お盆は祖先神まで高まっていない精霊さまをお迎えするお祭りだったのです。
日の本に 生まれ出でにし 益人は 神より出でて神に入るなり (中西直方)
「祖先の神があってこそ生まれた自分、その自分もやがては祖先の神のもとへ帰っていくのだ」というこの歌は古い日本的な死の考え方を表していると思います。死後の魂とはどこか遠くへ行くのものではなく、死後やがて祖霊となり、やがては祖先神へと高まっていきこの世の子孫の生活を見守っていると考えられていました。やがてその祖先神は歳月と共に家を守る「氏神」、土地・地域を守る「産土神」として我々を守り導いて行くのです。
せっかくのお休みの期間ですが、ご先祖へのお祀りを通じて感謝と慰霊の念を捧げ、神様やご先祖様と自分の命との間の繋がりを確認し、かつご家族の絆をさらに深めてみてはいかがでしょうか。(桃)