‘神社のいろは’ カテゴリーのアーカイブ

初詣について

2011年12月16日 金曜日

今日の寒さは厳しいですね・・・一気に雪が降って来て境内が雪化粧を施したかのような白さになってまいりました。出来れば積もらないで欲しいのですが、この雪を見ていると望みも薄そうです

 

年が明けてから初めて神社に参拝する事を初詣と言います。詣でるは『貴い所へ行く』と言う意味で、神社や仏閣などにお参りする事や、貴人の元へ行く時などに使われる言葉ですが、人に会いに行くのに初詣とは中々言わないと思うので、今では多くは神社仏閣を参拝する時に使われる言葉になっています

 

近年では家族や友人と、除夜の鐘が鳴り終わると同時にお参りする、或いは除夜の鐘が鳴るのを聞きながらお参りするのが一般的だと思いますが、古くは大晦日の夜から元旦の朝にかけて一家の主人が氏神さまに籠る事が習わしでしたが、次第に除夜詣でと元旦詣での二つの形に分かれ、現在の初詣の元の形になったそうです

 

二年参りと言う言葉は、除夜詣でと元旦詣での事を示しているのかもしれません。私の住んでいた地方には二年参りと言う言葉自体がなかったので、詳しくはわかりませんが・・・。

 

初詣だからお参りする場所は一箇所だけ、と決める必要はありませんし、数か所回るからと言って順序を考える必要もありません。氏神さまから参拝するのもよし、恵方の神社から参拝するのもよし(平成24年の恵方は北北西)。自分の気持ちの良いお参りの仕方でご参拝下さい(大)

 

 

神棚の設け方

2011年12月9日 金曜日

冬らしい気温になってまいりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか

住宅事情が変化した現代では、神棚を設ける事が困難な場合が多々あります

神棚には神さま(或は神さまの御恵)をお招きして鎮座していただく訳ですから、その下を通ったりその上を人が通る事はなるべく避ける様に、とされていますが、マンションなどでは最上階の部屋でないと難しいかと思います

神棚を設けたいけれど場所が・・・、と言う方は、見上げるような場所(棚の上など)に白い布を敷き、天井に『雲』などと書いた紙を貼って避ける方法があります

設ける場所がないから御札はいらない、と言う事ではなくて、大切な事は神さまが見て下さっている、と言う場を設ける事が大切なのだと私は思います

 

御札のまつり方の図を載せますので、どうぞご参考にして良いお年をお迎え下さい(大)

 

一社造りの場合

一番奥に崇敬する神社、真中に氏神さま、一番手前に神宮大麻と言う順番で御札をおまつりします。

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三社造りの場合

中央に神宮大麻、向かって右に氏神さま、向かって左に崇敬する神社の並べ方で御札をおまつりします。

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狛犬について

2011年3月6日 日曜日

狛犬とは獅子や犬に似た想像上の動物を模した像で、一般的に神社や寺院の入口の両脇、本殿や本堂の正面左右などに一対、向き合う形あるいは参拝者と対面する形で置かれています

狛犬は諸説ありますが仏教伝来と共に朝鮮半島を経由して日本に伝来したと考えられています。「狛犬」と言う呼び名は「高麗(こま)から伝来したから」と言う説と「魔(ま)を拒(こば)む犬=拒魔犬」と言う説があるそうですが、はっきりとした事は分かっていません

当初は右は獅子・左は狛犬と分かれ明確な区別があった様ですが、鎌倉時代後期から次第に簡略化されはじめ、昭和に入ると口の開き以外に差違があまり見られないモノが多数出て来たそうです

獅子・狛犬は向かって右側の獅子像が「阿形(あぎょう)」で口を開いており、左側の狛犬像が「吽形(うんぎょう)」で口を閉じています。阿吽と言うのは元々仏教的な色合いが強く、「阿」は口を開いて最初に出す音で始まりを表し「吽」は口を閉じて出す終わりを表す言葉とされており、転じて宇宙の始まりと終わりなどを表しているらしいです

基本的に対になって呼吸を合わせる様に共に行動している状態のモノに良く用いられます。

仁王像や沖縄のシーサーなども口を開いているモノと閉じているモノが対になっている事が多いです。

神社と言えば狛犬、と思う方もおられるかもしれませんが、前述した役割を担っている像は他にもあり、稲荷神社の狐、春日神社には鹿、弁財天には蛇など、狛犬の役割を果たす様々な像があり、これらはみな神使と呼ばれ、その神社の主祭神の眷属などの像が建立されている事が多いです

またその他に、その土地の由来や伝承などに合わせて狛犬の場所に蛙や河童などを建立する場合もあります。

当神社の狛犬。蔵王保育園の入り口向かいに建立されています

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拝殿前には、源義家公の奥州安倍氏討伐の折に当神社に参拝し流鏑馬を奉納されたという伝承を基に神馬の像が建立されています

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手水舎について

2011年2月26日 土曜日

神社にお参りをする前に手と口を清めてから参拝をするのが神社参拝の正式な参拝作法ですが、この手と口を清める所が手水舎(御手洗場)と言う場所です

手と口をすすぐ事によって、心身全てを綺麗にする象徴的な行為で、古くは神社に参拝する時は海や川に入ったり水をかぶったりして身に付いている罪や穢れ祓い落とす禊と言う行為があるのですが、それの簡略化された行為とされています

一般的に手水舎には柄杓が置かれており、それを使用して行為を行いますが、それにもちゃんと一連の作法があります

①右手で柄杓を取り水をすくいます。すくった一杯で一連の動作を行うので、なるべく多めにすくいましょう

②まずは左手に水をかけ、柄杓を左手に持ち替えて右手をかけて清めます

③もう一度右手にその柄杓を持ち替えて、左の手の平にに少量の水を溜 め、その水を口に含み音を立てずにすすいだ後、左手で口元を隠し腰を屈めててそっと吐き出します(口をすすぐ時は柄杓に直接口をつける事はしません)

④そして最後に柄杓を両手で持ち、 残った水が柄の部分を流れるよう立てる様に傾けて柄を洗い、柄杓を元の位置に戻します

概ねどこの神社でもこれが一般的な作法となります

下の写真は当神社の手水舎ですが

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水口(水の出る場所)は龍神となっており

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神紋は五七の桐となっています(ちょっと見づらいですが)
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水口は御神使(神の使い)を模していたり竹製であったりと多種多様ですし、手水舎は結構ユニークな彫刻や構造をしたモノもあります

神社参拝の際はじっくりとご覧になってはいかがでしょうか? 今までに見た事がないようなモノが見つかるかもしれません(大)

しめ縄について

2011年2月24日 木曜日

しめ縄について説明したいと思います。

神社の社殿やご家庭・事業所の神棚などしめ縄を張りますよね。

しめ縄は正式には「注連縄」とか「七五三縄」と書き、社殿の他にも御神木や手水舎、社務所や授与所など神社の至る所に張ってあります。これは清浄な(神聖な)場所の境界を示すものです。神社はその境内自体清浄な所ですが、中でも特に清浄を保つところにしめ縄を張ります。

しめ縄は普通の縄のように見えますが、縄をなう時に「左綯い(ひだりない)」といって通常の逆になっています。そこに紙垂(しで)という紙をつけます。紙垂は昔は麻や木綿などが多かったのですが、現在では紙を用いることが大半です。

しめ縄の歴史は古く、『古事記』の中の「天岩戸開き」に出てきますが、聖と俗を画する境界線と考えたらよいと思います。境内以外にも地鎮祭など他の場所でお祭りを行う時にもしめ縄が張られます。

注連縄