11月5日(金)新潟県無形文化財に指定されている「王神祭」が斎行されました。
祭礼の様子を撮影するのを忘れてしまいまして、写真は神事の後のものです。
通例神社の御神体は本殿の中にお祀りされ、外に遷御される事はないのですが、王神祭では古式に則り11月1日に遷座し、6日には再び御本殿に遷御します。
王神祭は金峯神社に合祀される又倉神社の祭礼です。御祭神大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)はこの地方に稲作・漁業・酒造を伝授され、その感謝の念を込め祭礼を行ったのが習わしです。創始年代は定かではありませんが、古代祭祀を今に引き継いでおり、文化財としての価値が高いとされています。
また大地主大神には沼奈川比売命(ぬながわひめのみこと)と、須勢理比売命(すせりびめのみこと)の妃神がおられます。このお二方の妃を一年ずつ交代しお祀りしています。祭祀の中には三献の儀式や示鏡によるお顔合わせがあり、古代の婚姻の様子が伺え、古来より縁結びの崇敬が厚く今に至っています。
今年の王神祭には平日の最中にも拘わらず、150名以上の参列者の姿がありました。近くの新町小学校の3年生の子どもたちも見学に来られ、厳粛な雰囲気、長い歴史の空間を肌で感じる事ができたら幸いに感じます。
祭典終了後の直会には、神前にて調理した鮭の雑煮を振舞っております。こちらも古くから伝わる調理方法に過去と現在を行き来する神社ならではの楽しさ、を感じていただけたのではないかと思います。いつもご協力いただいている氏子、崇敬者の方々に厚く御礼を申し上げます。(桃)